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ジオメトリックな要素と可読性を両立した日本語書体「Shorai Sans」
書体デザイナー中村征宏氏、Monotype社のクリエイティブタイプディレクター小林章氏、Monotype社のタイプデザイナー土井遼太氏の世代や文化を超えたコラボレーションにより、2018年のデザイン開始から3年の時を経て、2022年2月22日に発売開始となりました。書体名の「Shorai (ショウライ)」は、松の枝を吹き抜ける風やその音の意味である「松籟」に由来しています。
Avenir® Nextをベースに開発され、Avenirが持つ幾何学的な形状と、単純明快な線の構成が特徴で、バランスの良さと安定感のジオメトリックな日本語サンセリフ体です。
付属の欧文書体Avenir Nextは、和文に合わせてサイズを調整済みで和欧混植に最適化されているため、Shorai Sans単体で美しく読みやすいテキストを組むことができます。Avenir Next Worldと併用することで150以上の言語にも対応します。
目次
1. Shorai Sansのコンセプトと特徴
幾何学的要素と可読性を両立させた Avenir Next
Shorai SansのベースとなったAvenir Nextは、直線や円弧など幾何学的 (ジオメトリック) な要素を多く含むサンセリフ体です。ジオメトリック書体の代表格として知られるFuturaと比較すると、小文字 a の形状に読みやすいデザインを採用するなど、可読性との両立を目指したデザインといえます。
そのデザイン要素を踏襲した日本語サンセリフ体 Shorai Sans
Shorai Sansは、Avenir Nextが持つジオメトリックなデザイン要素を踏襲。クリーン、理知的、整然、都会的な印象を持つ日本語書体です。デバイスや媒体を問わず、本文でも見出しでも使うところを選ばない書体デザインです。
何も足さない「素」のかたち
一画ずつ注意深く置いていくように丁寧にデザインすることで、独楽が速く静かに回っているような、ブレないかたちが完成しました。
「限界プラス1割」の太さ
特太ゴシック体で80年代からグラフィックデザインに多大な影響を与えた中村征宏氏の指導のもと、最大限の太さを追求しました。力強く太く見えるように、太いデザインでも簡単なかたちを目指しており、アキを均一にするために、太いところは極端に太く、細い部分は極端に細く、ときに食い込ませるなど、線を大胆に整理してAvenir Next Heavyに見合う太さにしました。
仮名の単純明快さ
ジオメトリックな仮名のデザインは、日本語の印象を大きく左右します。複雑な形状は避けてシンプルなフォルムを目指していますが、直線や円弧など幾何学的な形だけでデザインすると図形のようになってしまいます。そこでAvenir同様に、可動性も考慮したバランスをとっています。
2. Shorai Sansとたづがね®角ゴシックの違い
ジオメトリックとヒューマニスト
Shorai Sansは、可読性に配慮したAvenirを付属欧文に持つ日本語「ジオメトリック」サンセリフ体。幾何学的・直線的なかたちを意識してデザインされ、都会的、科学的、理知的な用途に向いています。
一方、たづがね角ゴシックは、視認性に優れたNeue Frutigerを付属欧文に持つ日本語「ヒューマニスト」サンセリフ体。自然な手の動き、筆の動きをイメージしてデザインされ、伝統的、自然な雰囲気の用途に向いています。
程よい字面のShorai Sans
見た目の大きさは、たづがね角ゴシックなど一般的なゴシック体と比較すると大きくデザインされています。
3. Avenir Nextとの組み合わせ
Avenir Nextは和文にあったサイズに
Shorai Sansに標準で搭載されているAvenir Nextは、そのサイズや位置を和文に合わせて調整しています。
多言語展開も可能
Avenir NextファミリーのAvenir Next Worldでは、150以上の言語に対応する文字をサポートしています。Shorai SansとAvenir Next Worldを併用することで、多言語の組版を同じトーンで実現可能です。
※上記サンプルではAvenir Next WorldのサイズをShorai Sansに合わせて108%に拡大
4. 製品ラインナップ
極細Ultra Lightから極太Heavyまでの10ウェイト。見出し用、本文用それぞれの用途を考えた設計です。
また、バリアブルフォント Shorai Sans Variable は、Adobe Illustrator CCなどの対応アプリケーションを使用することで「太さ」を200〜950 の任意の数値に変更できます。
※バリアブルフォントに非対応のアプリケーションソフトでは、Ultra Light〜Heavy相当の10段階のみ選択可能となります。
形式と価格
5. 使用許諾
Monotype使用許諾
利用目的 | 使用の可否 | 注意事項 |
---|---|---|
印刷 (紙媒体) | ◯ | ─ |
Web (画像) | ◯ | ─ |
ゲーム | △ | アウトライン化して背景素材などの固定画像として使用する場合は、デスクトップライセンス(*)の使用許諾範囲で可能。 *PCにフォントをインストールして、デスクトップ環境で永久使用できるライセンス。画像化した場合でも、フォントの組み込みやフォントの代替として機能するようなものへの使用は別途ライセンス契約 (アプリライセンス・ゲームライセンス) が必要。 |
映像 | △ | DVDや映像コンテンツに字幕やテロップの目的で固定画像として使用することは可能。 リアルタイム放映などで、字幕やテロップのテキスト情報をその場で入力し表示させるような場合は、別途、組込みライセンスの契約が必要。 |
ソフトウェア | × | フォントの組み込みやフォントの代替として機能するようなものへの使用は、別途ライセンス契約が必要。 |
ロゴ | ◯ | ロゴ・マークでの使用可。 商標登録は、エンドユーザーがデザイン製作したロゴに限り可能。 |
サーバー | × | 不特定多数のユーザーがアクセスするサーバ環境では、別途ライセンス契約が必要。 |
電子書籍 |
◯ | アウトライン化した画像の状態であれば使用可。カタログやマニュアルなど、無償配布されるPDFファイルやeBookへのサブセット組込みは可能。 有償販売されるものに組み込みする場合は、別途ライセンス契約が必要。 |
Shorai Sans is a trademark of Monotype Imaging Inc. and may be registered in certain jurisdictions. Avenir is a trademark of Monotype GmbH registered in the U.S. Patent and Trademark Office and may be registered in certain other jurisdictions. Tazugane is a trademark of Monotype Imaging Inc. and may be registered in certain jurisdictions.