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「TAw-霞維字-kaiji-」それはとても恐ろしい筆文字書体
「TAw-霞維字-kaiji-」 これは、ただの筆文字フォントではない。
瞬間的に“文字”と認識されながらも、意味を読み取るには思考を強いる。「読む」ことを拒む、異形の筆文字。──そんな不穏で妖しげな魅力を秘めた書体です。
目が合う。視線を感じる。「目」の意匠が織り込まれたデザインは、まるで見られているような錯覚を生み、観る者の記憶に焼きつきます。意味を伝えるのではなく、存在を刻み込む。唯一無二の独創的なデザイン。
フォントとしてはもちろん、謎めいた背景グラフィックとしても活用可能。読む者を惑わせ、恐怖と興味を同時に抱かせる、新感覚の筆文字書体です。
目次
「TAw-霞維字-kaiji-」の概要

- Mac&Win対応
- OpenTypeフォント
- 収録文字数:JIS第一水準(2,965文字)までを収録・ひらがな・カタカナ・アルファベット・数字・記号
- JIS90字形
「TAw-霞維字-kaiji-」とは?
視線を奪い、読む者を惑わせる──「TAw-霞維字-kaiji-」

「TAw-霞維字-kaiji-」は、視覚に訴えかける異質な存在感を放つ筆文字フォントです。
人形や水墨、創作文字を通じて“見えないものを見せる”表現を追求してきた無道さんが、読む者に違和感と集中を促すことを狙い制作。文字として認識されながらも即座には読めず、視線を止めさせ、「読む」ではなく「魅入る」体験を与えるフォントに仕上がっています。
可読性をあえて抑え、意味の伝達よりも視覚的な印象と感情の揺らぎを重視した本作は、従来のフォントの概念に挑む、唯一無二の書体です。
制作された無道さんに「TAw-霞維字-kaiji-」についてお話を伺いました。
無道さんについて
水墨にて「情報を見る」事を主とした表現をしている。
主体を変える事で見え方を変え、個の持つ知識によって解が生まれ、 自身が見る世界と他者が見る世界の違いを表現し、 1つに複数の意味を乗せる事によって見えないモノを見せる作品を制作。
フォント制作のきっかけ
元々は球体関節人形・絵・表現の思想を相手に伝える為に『「私」というフィルターを通して作品各々の世界を現実に表現している』 という目的があって創作文字や絵に忍ばせる文字等々を使っていました。
別の言語(作品たちの世界)→私(再解釈・翻訳)→日本語変換してるので、現実世界の美術史や倫理観は一切関係ありませんという防御策でした。
そんな中、もっと表舞台に出る為に、私の作品が企業様達にはどう判断・映るか、通用するかをクリエイターEXPO(クリエイターが集う展示会)に出展して反応を確認していた際、霞維字の原型になった手書きの文字を見て、ウェブフォントジャパンさんから声をかけて頂き、可読性の低い文字にも関わらず、フォントとして制作してみませんか?というお声を頂いたので、そのチャレンジ精神に答えようと思ったのがきっかけです。
クリエイターEXPOにて出展した際の会場での評価が「個人的には好きだが、会社でとなると…」「商品でどう使うか想像できない」「前例がない」 という言葉が多く投げかけられたので、印象が強かったです。 それもあって企業様が挑戦して頂けるのであれば、私が全力出さない訳にはという気持ちでした。
SNS:【X】@QJACK9
無道さんの作品


どんなフォントを作りたかったのか

五感と文字認識の関係
人は慣れると視覚や聴覚等の五感本来の情報ではなく、自分を通したフィルターで感じる様になります。これはほぼ確実に確定した「形」に文字があるから可能であります。故に、流し見でも速読でも違和感なく読む事が可能になります。
私を読めという能動的な「魅入る」文字
逆に言えば、視点を止めずともいい訳です。それでは、文字から相手方を考え、読み取る行為が弱まってしまうので、 強制的に違和感を覚えさせ、視点を止めて、読むだけでなく、見るだけでもない「魅入る」文字を目指しました。
要約すると、文字という「存在」として、私を読んでという「受け身」から、私を読めという「能動的」な立ち位置にしたかった。
多層的な読解体験を設計する
人形の物語を小説にしたいと思った時に、翻訳したズレを表現したいと思って仕掛けを施した本を作ってみました。
読み方として、速読・斜め読み・飛ばし読み・数列同時読み等ありますが、これらを使って読んだ場合に別の意味でも読めるような小細工。文字配列を弄り、列の幅や余白を調整して、文と文が途中で繋がるような形にし、多角的に捉えられるようにしました。
個人の解釈と対話体験を促す試み
この意図は解釈の仕方・捉え方は人それぞれ異なる。それは対話し気が付く事で在りますが、それを個人で実感できるようにして見たかった。
読む動作と見る動作は目線移動と思考が違いますので、文として読む理解と目で見た印象の理解。
こういった1つのモノに対し、多角的に捉える事を文章でも表現したのがきっかけになりました。
制作の流れとフォント誕生まで
制作着手順 造形→本・文字→水墨
人形を作ったから、そのキャラの背景を表現する為に小説や創作文字を作る事になって、人形や文字を作ったから、形、情報を削った状態の水墨表現を使うようになって、再構築して出来たのが今回のフォント。
霞維字の制作のこだわり

文字のフォント化に向けた崩し方の工夫
文字をフォント化した場合の出来を見せてもらったので、太さ等を考慮しつつどう崩すかを考えて、入り方と強弱、密度を見ながら、目に見えるように考えて同じ部首や漢字が入る文字で練習して書いてました。
筆道具へのこだわりと使い分け
私は道具によって結構変わってしまうタイプなので、筆は同じ物を何本も買って使ってました。同じ筆でも違いがあるので、ワザと摩耗させたりしてました。文字によっては筆を変えたりして表現変えたりも。
墨の調整と制作環境への配慮
墨は主に冬に制作していたので、気温によってサラサラ糸と粘度の高いものを混ぜて乗りやすい状態を探ってから本番へ。
「TAw-霞維字-kaiji-」の特徴
「目」の意匠が織り込まれたデザイン

随所に、意図的に「目」を想起させるデザインが組み込まれており、それが不気味な存在感を生み出します。
筆の流れの中に潜む鋭い曲線、線の断片が生み出すまなざしのような形状、そして滲んだかすれがまるで見開かれた瞳のように映る。これらの要素が絡み合うことで、無意識に「見られている」という感覚を抱かせ、文字以上の情報を視覚的に伝達します。
このフォントを使うことで、ただのテキストではなく、視線を奪う異質なデザインを作り出すことができます。
Adobe Fontsで提供されるAB-霞維字-kaijiとの違い
Adobe Fontsで提供されるAB-霞維字-kaijiの収録漢字が常用漢字ベスト1,000文字なのに対し、デザインポケットで取り扱っているのTAw-霞維字-kaiji-は、JIS第一水準(2,965文字)までを収録しています。

上の画像で赤い文字は、AB-霞維字-kaijiに収録されている文字。青い文字は、TAw-霞維字-kaiji-にのみ収録されている文字です。Adobe Fontsで提供されているABシリーズでは収録漢字が半分以下となっています。
「TAw-霞維字-kaiji-」の使用例





「TAw-霞維字-kaiji-」の使用許諾
使い勝手の良い柔軟な使用許諾で、チラシやポスター、商品パッケージ、同人誌などの紙媒体だけでなく、Webサイト、ロゴデザイン、YouTube用の動画や動画広告、プロモーション用動画、アプリケーションなど、ビジネス・趣味を問わず幅広い用途でお使いいただけます。

印刷 | Web | ゲーム・アプリ | 映像 | ロゴ |
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◯ | ◯※1 | ◯※2 | ◯※3 | ◯※4 |
※1 | フォントファイルのサーバーへのアップロードは、別途二次使用権契約とライセンス料が必要。 |
※2 | 画像化したものの使用に限ります。 |
※3 | YouTube用の動画や動画広告、プロモーション用動画での使用は、一次使用権の範囲内でご使用いただけます。 |
※4 | フォントのアウトラインデータを加工編集(字形加工)して画像化した場合のみロゴ等の商標・意匠登録を行うことが可能です。別途ライセンス費用に関しては必要がございません。 |
「TAw-霞維字-kaiji-」の仕様


- Mac&Win対応
- OpenTypeフォント
- 収録文字数:JIS第一水準(2,965文字)までを収録・ひらがな・カタカナ・アルファベット・数字・記号
- JIS90字形
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どんなフォントを作りたかったのか

粗く荒々しい文字。文字を判別する場所に注目し強弱をつける事で、見て判断し、文章になった場合には、逆に判断を鈍らせる。
文字の中に忍ばせ、アクセントとして違和感を覚えるような書体として制作されています。
TAw 霞維字-kaiji-と組み合わせて使用するのもお勧めです。


- Mac&Win対応
- OpenTypeフォント
- 収録文字 ひらがな・カタカナ・アルファベット・数字・記号