直線を意識しつつも丸いエレメントを多用した漢字と毛筆の運びを強く感じる仮名が特徴的で確かな個性を発揮する「丸明オールド」。2000年に発表されて以来、数多くのアートディレクター、デザイナーに愛され続け、CM、広告、Webなどの様々なシーンで使用されていますので、見たことがないという方は少ないのではないでしょうか。改めて「丸明オールド」のルーツやデザインについて詳しくご紹介いたします。
2000年2月に掲載された新聞広告、サントリーモルツの広告キャンペーンで鮮烈なデビューを遂げた「丸明オールド」。それまでにはなかった丸明朝体というカテゴリーを作ったこと、また発売前のフォントが世の中に登場したということもあり話題の書体となりました。
2001年6月にフォント化されると急速にデザイン界に浸透していき、今ではさまざまなところで目にすることができます。2015年には、最新DTP環境にあわせてOpenType化。Adobe1-3対応して文字数も増強されました


文字を構成するエレメントに丸を使っています。丸明オールドは、ゴシックに丸ゴシックがあるように、明朝体にも丸明朝体というカテゴリーがあることを実証した書体です。
とくに漢字には多くの丸が使われているので大きくして丸がどこにあるかを示しました。 縦線、横線、点、トメ、ハネ、ハライなどどれも先端が丸く処理されています。

直線を意識した漢字に対し、筆の動きを強調した仮名。丸明オールドの仮名のルーツは、活字がメッセージの道具として大きな役割を担っていた時代の築地体や秀英体です。
印字面の四角いスペースにとらわれない形がのびのびとした流れに、そして伝統ある毛筆形は飽きのこない安心感となっています。

エレメントに丸を使った漢字と筆文字のような形のかなは特徴がありロゴやタイトルにもぴったり。漢字とかなの大きさのバランスが違いますが、不思議と縦に組んでも横に組んでもきれいで読みやすいので本文にもピタリとハマります。意思の強さを持ちつつも説教臭くならない、真面目で優しい印象を与えてくれます。

砧書体制作所
丸明オールド
懐かしくて、モダンな明朝体。筆文字のような形のかなが特徴です。漢字とかなの大きさのバランスが違いますが、不思議と縦に組んでも横に組んでもきれいで読みやすい。漢字は縦線、横線、点、トメ、ハネ、ハライなどどれも先端が丸くなっています。長い歴史のある明朝体の新しい風として話題になった書体です。
販売価格 39,600円(税込)

砧書体制作所の丸明朝体シリーズは、漢字のデザインは共通で仮名のデザイン違いで7種類にわかれています。筆の動き、枠への意識、線の太さの違いがそれぞれ特徴になっており、やさしさ、かわいさ、レトロ、オーソドックス、モダンといった性格に分かれています。デジタルなのにアナログのこころを持った書体です。
懐かしくてモダン、筆文字のような仮名が特徴的な明朝体
丸明オールド ¥39,600
やや細めで曲線的で優雅な仮名、いにしえの香りを持つ明朝体
丸明Tikuma ¥30,800
毛筆のかなの動きの粋な部分を抽出、玄人好みの感性を宿した明朝体
丸明Kiso ¥30,800
活字時代の血を受け継ぐ字形を参考にしたベーシックな明朝体
丸明Shinano ¥30,800
オーソドックスでやさしくをコンセプトにした飽きのこない明朝体
丸明Fuji ¥30,800
すこししっかりしていてあたたか味のある、ラインを意識した明朝体
丸明Yoshino ¥30,800
凛とした佇まいと切れの良さ、スピード感と力強さを併せ持つ明朝体
丸明Katura ¥30,800

12種の仮名のデザインの差をファミリーとした「iroha gothic」、角丸の差で2種の漢字を使い分けられる「丸丸ゴシック」、文字サイズを変えても同じく細さが整う極細フォント「芯」、醇朴でぬくもりある手書き文字「山本庵」、文字と図形のあいだ「きりこ」。砧書体制作所の書体ラインナップ。